
番手ってなに!?ラーメンの麺の太さについて
1. 日本のラーメン事情
皆さん、ラーメンはお好きですか?
ラーメンはもはや国民食と言っても過言ではなく、日本人にはラーメン好きな方が多いですよね。また海外からの観光客にも非常に人気のある食べ物であり、日本に来たら食べたいメニューランキングでも常に上位に存在しています。
日本には現在24,000~26,000軒ほどのラーメン店があると言われており、日本中どの都市に行っても必ずラーメン店を見つけることが出来ます。
種類も豊富で、昔ながらのラーメンからご当地ラーメン、つけ麺、進化系ラーメンなどなど、次々と新しい味が生まれ、ラーメンの世界は常に進化を続けているようです。
では、ラーメンの美味しさの秘密はどこにあるのでしょうか?その答えの一つが、麺とスープの相性にあると言えます。いくらスープが美味しくても、相性の良くない麺を使ってしまっては美味しさは半減してしまうものです。
ラーメン好きな方は知ってらっしゃる方も多いかも知れませんが、ラーメンの麺の太さには様々な種類があることはご存知でしょうか。うどんかと思うくらい太い麺もあれば、素麺のように細い麺もあります。今回はラーメンの美味しさを左右するといっても過言ではない、麺の太さについてご紹介致します。
2. 番手って何?ご当地ラーメンの麺について
麺の太さは、切刃番手(きりはばんて)によって決まります。切刃とは、麺を切る機械の事ですが、切刃番手は、30mm幅の麺帯(めんたい)と呼ばれる練りあげた生地から何本に切り分けるのかを示す番号になります。よって、30mm÷番手で麺幅(太さ)が分かります。例えば、10番手の麺の太さは、30mm÷10=3mmなります。番手の数字が大きければ大きい程、麺の太さは細くなっていくのです。
これは、JIS(日本工業規格)が定めた規格になり、麺の太さに関する全国共通の認識になっています。
日本には、全国各地にその土地土地の特徴のあるラーメンが存在し、ご当地ラーメンなどと呼ばれ、人気を博しています。では、全国のご当地ラーメンがどのような太さの麺を使っているか、ご存知でしょうか。
下記の表は、全国各地のご当地ラーメンの番手と麺幅(太さ)をまとめたものになります。
ご当地ラーメン | 切刃番手 | 麺幅(mm) | 加水率 |
札幌 | 22 | 1.36 | 30~40% |
旭川 | 22~24 | 1.25~1.36 | 26~30% |
米沢 | 22~24 | 1.25~1.36 | 40~47% |
喜多方 | 12~14 | 2.14~2.50 | 38~43% |
白河 | 18 | 1.67 | 42~46% |
佐野 | 12~14 | 2.14~2.50 | 37~39% |
東京 | 20~24 | 1.25~1.50 | 33~36% |
横浜 | 22~24 | 1.25~1.50 | 28% |
京都 | 20~24 | 1.25~1.50 | 30% |
尾道 | 16~18 | 1.67~1.88 | 26~32% |
博多 | 24~28 | 1.07~1.25 | 27~35% |
熊本 | 22~26 | 1.15~1.36 | 27~30% |
鹿児島 | 18~22 | 1.36~1.67 | 32% |
ラーメンの麺に使用される切刃番手は、12~28と幅広く使われています。また、上記の表を見て分かる通り、北へ向かうほど太い麺、南へ向かうほど細い麺が使われている傾向にあるようです。
またそれぞれの加水率にもご注目ください。加水率とは、麺を作る際に小麦粉に加える水分の割合のことです。加水率の低い麺は、スープとの絡みが良い、小麦粉の味をストレートに味わえる、というメリットがある反面、水分量が少ないため、スープを吸収しやすく伸びやすいという面もあります。ご当地ラーメンでいうと、博多ラーメンや熊本ラーメンなどがこれに当たります。
一方、加水率の高い麺は、食感がツルツル、モチモチしており、またスープを吸収しにくく伸びにくいという特徴がある反面、スープとの絡みがあまり良くない、というデメリットがあります。そのため、麺を縮れさせたり、濃厚なこってりとしたスープやドロっとしたスープと合わせて、スープとの絡みを良くする傾向があるのです。この条件に該当するご当地ラーメンは、喜多方ラーメンや白河ラーメン、佐野ラーメンなどがあります。
3. 太い麺、細い麺それぞれのメリットについて

加水率の違いについてはご説明しましたが、では麺の太さと細さには、それぞれどのようなメリットがあるのでしょうか。
麺は一般的に、極細麺、細麺、中細麺、中太麺、太麺、極太麺の6種類に分類されています。何番手がどれに該当するなどの細かい規定はないようですが、麺の太さの指標にはなっているようです。
一般的に細い麺は、ツルっとした喉ごしや歯切れの良さが特徴で、スープになじみやすく、あっさり系のラーメンによく合うと言われています。代表格はやはり極細麺の博多とんこつラーメンです。熊本ラーメンなどにも使われています。
一方太い麺は、コシのあるもっちりした食感で食べごたえも抜群です。家系ラーメンや、つけ麺、濃厚な味噌ラーメンなどに使われます。ご当地ラーメンでは、極太麺の喜多方ラーメンや白河ラーメン、佐野ラーメンなどが当てはまります。
太い麺、細い麺それぞれに良さがあり、スープとの相性などを考えてそれぞれのラーメンに合ったものが使われていることがよくわかります。
いかがでしたでしょうか。
一概に麺といっても、様々な要素で構成されていることが分かります。また種類もとても豊富ですよね。さらにスープとの組み合わせもあるので、美味しいラーメンは計算され尽くされた上で出来ているのですね。
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ぜひ、スープと麺の絡み具合や食感、のど越し、食べ応えなどのそれぞれのお店の味をお楽しみください。
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