2025.01.24

栄養満点!鹿児島の人気グルメ
さつま揚げの美味しい食べ方
〜温め方・保存方法・節約アレンジレシピもご紹介〜

おでんや煮物でおなじみの「さつま揚げ」は、鹿児島を代表する郷土料理のひとつ。
素材の旨みがたっぷり詰まった優しい味わいは、ココロとカラダをほっこり温めてくれます。実は、高タンパクで栄養豊富なヘルシーフードでもある「さつま揚げ」。ごはんのおかずに、お酒のつまみに、お子様のおやつに、「さつま揚げ」がもっと美味しくなる食べ方をご紹介します!

さつま揚げの美味しい食べ方

1.さつま揚げってどんな食べ物?

さつま揚げは、鹿児島県民から「つけあげ」と呼ばれるソウルフード。もともとは正月やお祝いの席などで食べられていましたが、現在は季節を問わず、日常の献立に活用されています。
その歴史は意外に古く、幕末の薩摩藩主・島津斉彬が紀州の「はんぺん」や「かまぼこ」にヒントを得て、高温多湿の鹿児島でも保存が効く揚げ物にアレンジしたという説が伝わっています。このほかに、琉球料理の揚げかまぼこ「チキアーギ」がなまって「つけあげ」に変化したという説も。少なくとも1800年代半ばには、すでに鹿児島で作られていたようです。
つけあげは魚のすり身に豆腐や卵、鹿児島の地酒などを混ぜて油で揚げたもので、いわゆる「練り物」の一種です。原料となる魚はアジやサバ、トビウオが一般的ですが、エソやハモ、グチなどの高級魚が使われることもあります。
鹿児島のつけあげは、砂糖を入れて甘口に仕上げるのが大きな特徴です。原料となる地酒は郷土料理の「酒ずし」にも使われており、醸造過程のもろみに灰汁(あく)を加え、絞って造ります。このため「黒酒」「灰持酒(あくもちざけ)」とも呼ばれ、みりんの代用品やお屠蘇(とそ)としても親しまれています。
かつて、温暖な気候の鹿児島は清酒づくりに不向きな土地と言われ、清酒の代わりに黒酒が造られていました。火入れを行わず、アミノ酸が豊富に残った黒酒は、つけあげが持つ魚本来の旨みをグッと引き立ててくれます。

2.実は高タンパクで栄養豊富

魚のすり身が主原料のさつま揚げは、良質なタンパク質の宝庫。魚由来のタンパク質は、私たちヒトの健康な体づくりに欠かせない「必須アミノ酸」をバランス良く含んでおり、体内での吸収や利用効率に優れています。人間が体内で合成できないDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などの不飽和脂肪酸をはじめ、カルシウム、鉄分などの栄養素もさまざまに含有しています。
調理の際に油で揚げることから、何となくカロリーが高そうなイメージのあるさつま揚げですが、意外と低カロリーなのもうれしいポイント。カロリーや脂質をできるだけ抑えたい方は、さつま揚げに熱湯をかけたり、熱湯に数分つけて油抜きする方法もあります。また、野菜と一緒に調理してかさ増しすれば、食べすぎを防いでダイエットにも役立ちます。

練り物の成分比較一覧

練り物成分比較一覧表

※可食部 100gあたり 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

※練り物のタンパク質については、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。

「高タンパク・低カロリーな完全栄養食 簡単おいしい!コスパもタイパも両立 魚のおかずを活用しよう」

3.さつま揚げの美味しい温め方について【動画あり】

この動画では、フライパンを使ったさつま揚げの温め方、おすすめの薬味、基本の保存方法など、さつま揚げをさらに美味しく食べるためのポイントを動画でご紹介しています。簡単手軽にできるものばかりなので、ぜひお試しください!

●加熱しないで、そのまま食べる

さつま揚げは加熱済みの練り物製品なので、加熱せずにそのまま食べられます。冷蔵庫から取り出してすぐに冷たい状態で食べる場合は、すり身ならではのプリッとした弾力のある歯ごたえが楽しめます。包丁でほどよいサイズに刻んで、サラダなどに和えても美味しいですよ。

●フライパンで温める

熱々のさつま揚げが食べたい時、最も簡単手軽なのがフライパンを使った加熱法です。さつま揚げはもともと表面に油がついているので、フライパンに油を引く必要もありません。そのまま直接、火にかけて焼きましょう。
しっとり食感が味わいたい場合は、弱火~中火で1分半ほど焼いてください。温めることで風味が増し、ほかほかの美味しさがアップします。さらに中火で2〜3分ほど焼くと、表面にほんのり焦げ目がついて、外はカリッと、中はモチッとした食感の違いが楽しめます。
すり身特有の魚臭さが気になる場合は、さつま揚げに酒を少々振ってから加熱しましょう。臭みが消えて、豊かな旨みがよりいっそう際立ちます。

●トースターで温める

アルミホイルの上にさつま揚げをのせ、1200Wのトースターで5~6分ほど温めると、表面にほんのり焦げ目がつき、カリッと香ばしく仕上がります。まるで揚げたてのような表面のカリカリ感と、中のもっちり食感のコントラストが楽しめて絶品です。そのままの食感を変えずに温めたい場合は、アルミホイルでさつま揚げを包んで温めましょう。表面はしっとり、中はホクホクの食感に焼き上がります。

●魚焼きグリルで温める

温かいさつま揚げを楽しみたい方には、魚焼きグリルによる加熱もおすすめです。トースターに比べて火力が強いので、厚みのあるさつま揚げの内部までしっかり火を通せます。トースターと同じく、アルミホイルの上にさつま揚げをのせたり、包んだりして、お好みで火加減を調節しましょう。

●電子レンジで温める

500Wの電子レンジを使用する場合、さつま揚げ3個に対する加熱時間の目安は50~60秒ほどです。あくまで目安となりますので、ご家庭のレンジの種類やさつま揚げの大きさに合わせて調整してみてください。温める際は乾燥しないよう、ラップをかけて加熱しましょう。長時間温めすぎると、さつま揚げの身が固くなり、本来の美味しさが損なわれることがありますので、ご注意ください。

●湯せんで温める ※真空パックの場合のみ

真空パックのさつま揚げは、湯せんで温めることも可能です。鍋にお湯を沸かし、沸騰したら火を止めて、真空パックのままさつま揚げを入れ、フタをして3分ほど待ちましょう。やけどしないように注意しながら取り出して開封し、さつま揚げを器に出します。表面の油が気になる場合は、キッチンペーパーなどでふき取ってください。

※湯せんの際は、必ず火を止めてから入れてください。熱くなりすぎると袋が破けるおそれがあります。

4.さつま揚げの保存方法

残ったさつま揚げは、乾燥しないようにラップをかけて冷蔵庫に保存し、賞味期限内に食べ切りましょう。
薩摩家のさつま揚げは、何種類もの魚のすり身を原料に使用しています。すり身の種類によっては、冷凍保存によって食感が損なわれる場合がありますので、冷蔵保存をおすすめしています。

さつま揚げは薩摩家

5.さつま揚げの食べ方&節約アレンジレシピ

●シンプルにそのまま味わう

もともと味つけされているさつま揚げは、冷たい状態でも温かい状態でも、そのまま美味しく食べられます。最近では、チーズや明太子などの具材が入ったタイプも販売されており、バラエティに富んだ味わいを楽しむことができます。

●しょうが醤油・からし醤油でほんのりピリ辛風味

さつま揚げはどちらかと言うと、甘めの味つけが多い食べ物。ピリッとスパイシーなしょうが醤油やからし醤油につけて食べると、お互いの風味が引き立ち、よりいっそう美味しく食べられます。日本酒や焼酎のおつまみにもよく合いますよ。

詳しくは、冒頭の動画をご覧ください。>>>

●大根おろしを添えてさっぱりと

大根おろしをたっぷり添えて、醤油やポン酢をつけて食べるのもおすすめです。さっぱりとした味わいで、食欲のない時でも食べやすいですよ!朝食のおかずなどにも適しています。

●お子様にもおすすめ♪ごはんがすすむ醤油マヨ

ほんのり甘いさつま揚げは、魚嫌いのお子様にも人気のおかず。そのままはもちろん、醤油をちょっぴり加えたマヨネーズにつけて食べれば、ごはんがさらにすすむこと間違いなし!マヨネーズ好きなお子様から大人の方まで、幅広い世代に喜ばれます。

●いつものおかずにちょい足し!簡単かさ増し節約レシピ

定番のおでんをはじめ、煮物、炒め物、味噌汁、丼物、チャーハンなど、幅広い料理に活躍するさつま揚げ。いつものおかずにちょこっと足すだけで、簡単手軽にかさ増しできて節約にも役立ちます。そんなコスパ・タイパに優れたさつま揚げ料理から、特におすすめのレシピをご紹介。毎日の作り置きやお弁当のおかずなどに取り入れてみてくださいね!

きんぴら

薩摩揚げのきんぴら

【材料】 (2〜3人分)

さつま揚げ 100g
・にんじん 1本
・輪切りトウガラシ 小さじ1/2
・白すりごま 大さじ1/2
★酒 大さじ1
★みりん 大さじ1
★醤油 大さじ1
★砂糖 大さじ1/2
・ごま油 適量

【作り方】

  1. フライパンにごま油に引いて温め、千切りにしたにんじんと輪切りトウガラシを加え、中火で1分ほど炒める。
  2. 【1】にさつま揚げと★を加え、水分がなくなるまで炒める。仕上げに白すりごまを加え、さらに軽く炒めたら出来上がり。

ちらし寿司

薩摩揚げを使ったちらし寿司

【材料】 (2〜3人分)

さつま揚げ  125g
・錦糸卵     適量
・エビ       4尾
・しいたけの煮物 4枚
・にんじん     適量
・さやえんどう   適量
・すりごま 大さじ2
・酢飯      2合
・塩          適量

【作り方】

  1. にんじんとさやえんどうを塩ゆでする。
  2. さつま揚げの表面がほんのり茶色に色づくまで揚げ、正方形に切る。切り落とした4辺は細かく刻む。
  3. 酢飯にすりごま、細かく刻んださつま揚げを混ぜ込み、型に詰める。
  4. 【3】を引っくり返して皿の上にのせ、具材をバランス良く飾る。

ポテトサラダ

【材料】(3~4人分)

さつま揚げ 100g
・じゃがいも 3個
・マヨネーズ 大さじ4
・和風だし 3ml
・塩胡椒 適量
・青のり 適量

【作り方】
ゆでたじゃがいもを塊が残る程度に潰し、ひと口大に切ったさつま揚げと調味料を一緒に混ぜ合わせる。

野菜炒め

野菜炒め

【材料】(1人分)

さつま揚げ 50g
・菜の花 100g
・ガーリックフレーク お好みの量
・オイスターソース 適量
・塩胡椒 少々

【作り方】
ひと口大に切ったさつま揚げと固めに塩ゆでした菜の花を、調味料・ガーリックフレークと炒め合わせる。

おでん

【材料】4人分

さつま揚げ(小サイズ) 40g
・すじ肉 200g
・お好みの野菜 適量
・だし汁 適量

【作り方】
だし汁にあらかじめ煮込んで柔らかくしたすじ肉、さつま揚げ、野菜を順に入れ、味が染み込むまで煮込む。

良質なたんぱく質とカルシウムを豊富に含むさつま揚げは、クセのない味わいでそのままはもちろん、さまざまな料理に活用できる万能食材。みなさんもぜひ、さつま揚げの美味しい食べ方を試してみてくださいね!

さつま揚げは薩摩家

《出典元・参考文献》

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