2022.09.24

ハロウィンの語源と世界のハロウィン

今や10月の風物詩となったハロウィン。各地のテーマパークでハロウィンに関するイベントが開催されたり、デパートやスーパーでも特設コーナーが設置されたりと日本でもすっかり定着しました。
しかし、ハロウィンとはどんなイベントなのかをちゃんと説明できる人は少ないのではないでしょうか。
『ハロウィン=仮装のイベント』と思っていませんか!? 実はそうではないんです!
そこで今回はハロウィンの起源や由来について解説していきたいと思います!

ハロウィン砂糖菓子

1.ハロウィンの起源、由来とは?

ハロウィンの起源は、ヨーロッパの古代ケルト人が行っていた祭礼「サウィン(Samhain)」だと言われ、2000年以上も前にさかのぼります。
古代ケルトの暦では11月1日からが新年とされ、10月31日に秋の収穫を祝い悪霊を払う盛大なお祭りが開かれていました。
またその日は死後の世界との扉が開き、先祖の霊が戻ってくるとされていましたが、先祖の霊だけではなく悪霊や魔女が出てくるともされていました。そこで、悪さをする悪霊や魔女と同じ格好の仮装をすることでその身を守っていたそうです。この風習が、ハロウィンの代名詞である仮装の起源となりました。

ハロウィン仮装

2.ハロウィンの語源

その後、歴史の流れの中で古代ケルトの文化はキリスト教文化に吸収されていきます。キリスト教では11月1日はキリスト教すべての聖人を崇めて敬う「万聖節」という祝日で、英語で「All Saints’ Day」または「All Hallows」と表記されます。前日の10月31日には万聖節の前夜祭として故人をしのぶ行事が広まり「Hallows eve」と呼ばれるようになりました。これが訛って「Halloween」と呼ばれるようになったと言われています。

3.ハロウィンの習慣アレコレ

ハロウィンの習慣として仮装が広まったのは前述の通りですが、他にもハロウィンの習慣として思いつくものがありませんか⁉
そうです!カボチャのランタンと、「Trick or Treat(トリックオアトリート)」の合言葉です!
ここではこの2つについて説明していきます。

3-1 カボチャのランタンはなんのため?

かぼちゃのランタン

ハロウィンのシンボルとしてよく目にするカボチャのランタン。これにももちろん由来があります。ランタンも仮装同様、悪霊や魔女から身を守る魔除けとして使われていました。また、故人の魂が迷わないように道しるべのような役割も担っていました。

実はこのランタン、「Jack-O’-Lantern(ジャック・オー・ランタン)」という名前があるのをご存知でしょうか?
なぜこのような名前になったかというと、ケルト人の文化が根強く残るアイルランドの物語に由来すると言われています。

その昔、悪事ばかりはたらいていたジャックという男がいました。ジャックはある日、魂を奪おうとする悪魔と遭遇しましたが「死んでも自分の魂を取らせない」という契約を悪魔と結びます。その後寿命で死んでしまったジャックですが、生前の行いが悪すぎたせいで天国へは行けず地獄へ向かいます。しかし、地獄の門で待っていたのは契約をした悪魔で、悪魔は魂を取ることが出来ずジャックは天国にも地獄にも行けませんでした。行く場所がなくなってしまったジャックは来た道を引き返そうとしましたが、真っ暗で風もひどかったため、悪魔に地獄の火を貰って近くに落ちていたカブをランタン代わりにして永遠にあの世とこの世をさまよい続けている…

これが、ランタンが「Jack-O’-Lantern(ジャック・オー・ランタン)」と呼ばれて魔除けとして戸口に飾られるようになった由来で、アイルランドの昔話が元になっていると言われています。
「あれ?カボチャじゃなくてカブなの?」と思った方いらっしゃいませんか?
そうなんです!もともとはカブをくり抜いてランタンにしていたんです!
スコットランドなどの一部の地域では現在でもカブをくり抜いたものでランタンを作っているそうです。
では、なぜカブではなくカボチャが使われるようになったのでしょうか。
それはアメリカという土地が大きく関係していると言われています。アイルランド人の移民によって伝承が伝えられたアメリカではカブにあまりなじみがなくカボチャの方が入手しやすかったというのが一説にあります。また、カブよりもカボチャの方がくり抜きやすくろうそくを中に入れやすかったという理由もあるそうです。

3-2 Trick or Treat(トリックオアトリート)」の意味とは?

ハロウィンでは仮装した子どもたちが日没後に近所の家を訪れて「トリックオアトリート」と唱えるのも有名な風習です。その言葉に大人たちは「ハッピーハロウィン!」と答えてお菓子をあげるのが一般的ですがこれにも由来があります。
「Trick or Treat」は日本語では「お菓子をくれないといたずらするぞ」と翻訳されますが、もともとは「souling(ソウリング)」という9世紀のヨーロッパの風習に由来するという説があります。これは11月2日の死者の日にクリスチャンが「Soul cake(ソウルケーキ)」を乞いながら家々を渡り歩き、お礼としてその家で亡くなった方の魂に祈りを捧げて供養をするという風習です。ソウルケーキを準備していなかった家庭では祈りを捧げることが出来ないため魂が鎮まらず、悪さをすると信じられていたそうです。
ソウルケーキがお菓子に、悪さをするのが死者の魂から仮装した子どもになってハロウィンの定番として定着したのかもしれませんね。

4.世界のハロウィン

キリスト教とともにハロウィンは世界各国に広まり、それぞれの国の文化と融合して独自の発展を遂げました。キリスト教の文化を受け継いだアイルランドやスコットランドの人々がアメリカに移住してハロウィンの文化を広め、そこで現在一般的になっているハロウィンの様式が確立したと言われています。そして、ハロウィンは時代と共にキリスト教的な要素が薄れていき、宗教行事から大人も子どもも楽しめる俗世のイベントに変化していきました。

ここでは世界各国のハロウィンの様子をご紹介します。

●アイルランド

ハロウィン発祥の地といわれるアイルランドでは、秋の収穫を祝い悪霊を祓う伝統行事として受け継がれています。学校などは10月の最終月曜日から1週間休みになり街はお祭りムードに。
ハロウィンの夜には「バームブラック」というドライフルーツが入ったケーキやパンを食べる習慣があります。バームブラックの中には指輪や硬貨、ボタン、布切れが仕込まれておりそれによって運勢を占うそうです。また、「アップルボビング」というゲームをしたり仮装をしたりして家族で過ごす時間を楽しみます。

ハロウィン バーンブラック

●アメリカ

ハロウィンを世界に広めたアメリカではクリスマスの次に盛り上がるイベントです。1か月前から仮装の準備をしたり家族でジャック・オー・ランタンを作ったりと気合の入り方が違います。ハロウィン当日には子どもたちが「トリックオアトリート」の合言葉と共にお菓子を貰って回り、学校では仮装大会が開かれ先生も仮装して登校するんだそう!

ハロウィンパーティ

●メキシコ

メキシコでは10月31日~11月2日の3日間を「死者の日」として祝い、2003年には伝統行事としてユネスコ無形文化遺産にも登録されました。この3日間は死者の魂がこの世に帰ってくるとされ、故人の好きだった食べ物や生前の写真などを飾って魂を迎えます。日本のお盆と似ていますが、メキシコでは陽気でにぎやかに過ごすのが日本とは違うところ。街にはカラフルなガイコツグッズがあふれ、楽器を演奏したり食事をしたりしてにぎやかに故人の魂との交流を楽しみます。

死者の日(メキシコ)

●ルーマニア

ルーマニアではもともとハロウィンの習慣はありませんでしたが、「ドラキュラ伯爵」誕生の地であることからハロウィンにちなんだイベントが開催されるようになりました。ドラキュラが生まれた城として有名なブラン城には、ハロウィンになると多くの観光客が訪れ、城内ではハロウィンパーティーが開催されます。

5.ハロウィンカラーの意味とは?

ハロウィンと言えばオレンジ・紫・黒のイメージがありませんか?ハロウィン関連の商品にこの3色が使われることが多いですが、ただなんとなく使われているのではなくちゃんとした意味があります。

●オレンジ

「カボチャのランタンを使うからオレンジなんでしょ?」って思った方!実は違うんです!
先述の通り、ランタンにカボチャが使われるようになったのはハロウィンがアメリカに伝わってからの話。本来の意味は「秋の収穫」や「太陽の恵み」を表す色として使われています。

●紫

紫がハロウィンカラーになったのは、月明かりの怪しい夜の色が紫色に見えたからだと言われています。怪しげな雰囲気がハロウィンにピッタリなのでよく使われるようになったのかもしれませんね。

●黒

黒=死、暗闇をイメージすることも多いと思いますが、ハロウィンにおいてはそれ以外にも意味があります。それは魔女です。古代ケルトでは魔女の存在は本当に信じられていて、ハロウィンのときには悪霊と共に魔女が現れると言われていました。魔女の仮装が定番になったいるのもこのためです。
また、黒猫は魔女の使いとして嫌悪され、カラスも魔女のようなイメージを持たれていたため魔女同様恐れられる存在でした。

6.まとめ

今回はハロウィンの起源や由来について解説してきました。何気なくやっていた仮装や飾りつけなどもその意味を知るとまた違った楽しみ方が出来そうですね!
友人と仮装イベントで盛り上がるもよし!
家族でゲームやホラー映画を楽しむもよし!
それぞれの過ごし方でハロウィンを楽しみましょう!

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